愛に生きる

日常生活から少し離れて内省の時間にふと浮かんだ思いを記します。

つながりの力

少し前に『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』という本を読みました。これは人間関係、ネットワークについていろいろ分析した本です。この本では人間をホモ・ディクティアス=ネットワーク人と呼んでいます。

以前耳にしたのを覚えているのですが、世界の誰かとつながりを持とうとするとき、例えば、フランスのある有名なレストランのシェフとつながりを持とうとするとき、どのくらい知り合いをたどればいいかということが話題になりました。そのシェフが知人の知人ならば2次の隔たり、知人の知人の知人の知人ならば4次の隔たりというふうに表すようにすれば、平均して何次のつながりでつながることができるかということです。これを実際に調べた方がいて、その結果によると、私たちは平均して6次の隔たりで世界中の人とつながることができるそうです。つまり、世界の誰であろうとも、その人は平均すれば知人の知人の知人の知人の知人の知人であるわけです。最初にこれを聞いたとき、世界というのは狭いものだなと思いました。

この本にはもうひとつ面白いことが書いてあります。驚くべきことに、3次の隔たりのある人(一面識のない人でさえ)は私たちのポケットに入っている1万円札数枚よりも私たちの幸福に大きな影響を及ぼす可能性があるそうです。つまり、知人の知人の知人は、その人とたとえ会ったことがなくても、私たちに大きな影響をおよぼしているということです。ただし4次のつながりになるとその影響力は急速に減るそうです。これは、私たちが仮に20人の人と日常的に付き合いがあるとすれば、私たちは20×20×20=8000の人の幸不幸に一定の影響を与えているということを意味します。私が笑えば1万人が笑い、私が泣けば1万人が泣くわけです。

人間関係のネットワークというのは私たちが思っている以上に力を持っているということに気づかされた本でした。普段顔を合わせている人のずっと向こうまで影響を与え、そして向こうからの影響を受けています。付き合う人はとても重要に思えてきます。

また、人間の脳に見合う社会集団の規模は150人くらいだそうです。現代はインターネットを通じて何万人の人に影響を与えることも可能ですが、一人ひとりの個人に対して個別の対応を行えるのは誰でも150人くらいが精一杯だということです。ダンバー数と呼ぶそうです。

以前も書きましたが、人はひとりでは生きていくことができません。人間関係が必要です。他者は鏡のような存在であり、他者との関係を通じて私たちは自分についてより深く知ることになります。全人類は一つであり、全人類がまとまった時に私たちは真の力をもち、多くの問題の解決が可能になるでしょうが、現在はまだ目覚めるかどうかの幼子のようなものなのかもしれません。一体性という仕事は21世紀の真の大事業といえるでしょう。