心の4つの使い方

 ある本によると、リーダーシップの要諦を簡潔に表現すると、
 Be - Do - See - Tell 
と書けるそうです。「ふさわしくありなさい。行いなさい。見なさい。語りなさい」の4つです。現代のリーダーの少なくない人が指図をしてばかりいますが、それはリーダーシップとしては下だとのことです。

 Be(ふさわしくある)とは、人格を備えていることと受け取っています。Do(行う)とは人に行ってほしいことを自分が行って人の手本となることでしょう。See(見る)とは自分が何かを行った後、その結果状況がどのようになっているかを確認すること(多分)。Tell(語る)とは状況を確認したあとで指示を出す、あるいは指示でなくても言葉かけをするということだと思います。

 興味深いのは、この中にThink(考える)が含まれていないことです。熟考することは必ずしもリーダーシップの必須用件ではないのかもしれません。しかし、Be - Do - See - Tell の四つの場面において、心は異なったありようを示します。

 Be:人がふさわしくあるとき、つまり心は平安で落ち着いていないといけませんが、これは心(マインド)が他所のほうへさまよい出ていないこと。状況に集中できている状態です。
 Do:何かを行うとき、他の人はどうかわかりませんが、私は計画を立てます。計画もなく行き当たりばったりで時間を過ごすことは、若いころにはありましたが、最近はほぼありません。時間がもったいないので、何かするときは大概計画を立てます。
 See:人が何かを観察しているとき、心は感覚されるものを細かくチェックしています。分析しているといえるでしょう。心が健やかに働いているときは、この分析はスムーズに行われるもの。これも心の大切な側面です。
 Tell:他の人はどうかわかりませんが、私は何の考えもなく、ぺらぺらしゃべり続けることが昔からできません。何かを語るとき、多分語る対象に関して多少なりとも識別を働かせて、言葉をそれなりに選んで語ることが多いと思います。これも心の働きの一つです。

 心(マインド)がバランスを取れた状態(集中)、計画、分析、識別。これらは心の4つの姿と受け取れます。