愛に生きる

日常生活から少し離れて内省の時間にふと浮かんだ思いを記します。

人生と日々の仕事

人生は、自己の拡大であると思います。赤ん坊のときには母の胸に抱かれて育ちますが、大きくなっていくうちに、接する人や活動の範囲は拡大して行きます。それは自己の拡大ではないでしょうか?

 人生とは、一日一日を階段の一段として、目的地へと登っていく100段、1000段、10000段の階段のようなものです。一日その日に与えられた仕事をきちんとこなせば、それは人生の階段を一歩登ったことであり、怠けて過ごせば、それは一日人生を無駄にしたということです。一日その日に与えられた仕事を行うことは、それ自体が人生の勝利であり、怠けて一日を無駄にすることは、それ自体が人生の敗北です。

 人間にはその日その日に為すべき仕事が毎日目の前に与えられます。職業についている人だけでなく、主婦にも、無職の人にも、子どもにも、定年退職後の人にもです。それは、自分の得意な仕事のこともあるし、得意でない仕事のこともあります。一人でする仕事かもしれないし、多くの人とともにする仕事かもしれません。身体を使う仕事かもしれませんし、頭を使う仕事かもしれません。しかし、それが何であれ、日々私たちの目の前には仕事が与えられます。私たちは、その仕事に取り組まなければなりません。

 人生の秘密は、そのような仕事にあると思います。私は友人に、「人は食物と仕事によって進歩する」と教えてもらいました。車の走行がガソリンの質によるように、人生の歩みは食物の質によります。そうこうすることによって車を買ったことが正当化されるように、人生を歩むこと、つまり日々の仕事に携わることによって、人間として生まれてくることが正当化されます。人生とは仕事の積み重ねに他なりません。日々の仕事を着実にこなしていくことで、人は必ず変容するでしょう。

 神話学者のジョセフ・キャンベルは次のように言っています。「与えられた恵みの内に歩みなさい。そうすれば、今までに扉がなかったところに、扉が開くようになるでしょう」。

 目の前の環境が、私たちの仕事場です。目の前の仕事が私たちの仕事です。私たちに仕事を与えるものは、その仕事を行うのに必要なものも一緒に与えてくれます。人生の恵みとはそのようなものです。