プラナヴァ(オーム)はこの宇宙が誕生したときの音と言われています。耳を手のひらで覆うとこの音がします。電信柱に耳を当てるとこの音がします。「ゴー」と響いているような音ですが、これをインド人はオームと表記しました。
数学のすべては1という数字が変形して理論ができあがっていますが、この世のすべての音や言葉はこのプラナヴァ(オーム)が変形したものだとされます。それは宇宙の誕生に始まり、それ以後この宇宙を満たすすべての音を支え、宇宙が消滅するときもこの音に収束するとされます。
日本においても実はこのオームは一部の人に馴染みのあるものです。真言宗の真言は「オン・・・ソワカ」という形式のようですが、オンはオームのことです。野口晴哉先生の創始された整体においてはオームではなく、似たようなウームという音が使われると聞いたことがあります。一部の人かもしれませんが、中国の太極拳をやっている人がオームを唱えていると聞きました。キリスト教のアーメンとオームは同じく宇宙ができたときの音を表すと聞いたこともあります。インドから伝わった仏教のお経もオームで始まるものもあります。(岩波文庫「浄土三部経」など)
オームを日常的に唱える習慣のある人の中には、オームという音に対して日本人の少なくない人が非常に悪いイメージをもっていることを悲しく思っている人もいます。某団体のためです。
私は宇宙旅行をしたことはありませんが、耳を手で覆ってその音を聞いていると、「宇宙空間はこんな感じなのだろうな」と想像したりします。耳の聞こえない方はこの世の音は聞こえないかもしれませんが、意識の中でオームが響いているのかもしれないと思ったりもします。