見方を変えること

世界銀行副総裁の西水美恵子さんのお話を聞いてきた方が、リーダーシップの要点として次の3点を挙げていらっしゃいました。まずは危機感を抱くこと。次に、チーム精神。そして人の苦しみに自分を重ね合わせることです。そして次のようにおっしゃいます。This is not what you do, how you think what you do. 「何をなすべきかではなく、なすべきことを心でどうとらえるかが大切なのだ」

何か問題が生じたときに、他人を変えようとしてはいけないとよく言われます。他人を変えることはできず、私たちに許されているは自分を変えることだけだといいます。家庭内でも職場でも世の中でも、こうなればいいのに、ああすればいいのにと思うことが多くあります。だから昔は他人に意見することがありました。

しかしよく考えれば、私たちは天気を変えようとはしません。雨が降りそうなら傘を持って出かけるし、寒い日はしっかり着込んで外出します。暑い日は涼しい格好をします。天候に合わせて私たちは対処します。道路でもそうです。赤になれば停車したり立ち止まるし、青になれば発車したり渡り始めます。安全を考えて制限速度も守ります。私たちは状況に合わせています。対人関係や世間も天候と同じようなもので、それを無理に変えようとせず、状況に合わせるべきであると私は思いますし、最近他の方のブログでそのような意見が書かれているのを見かけました。

最初に書いたリーダーシップの話に戻りますが、状況というものはすぐににっちもさっちもいかなくなります。そういう中で優れたリーダーは状況を捉える新たな視点をすぐに獲得することができます。ある状況で取るべき選択肢は限られているかもしれませんが、それらをどのように行うかが重要です。このような見方を切り替える能力はリーダーに限らず、皆が身につけていていいと思います。

私たちの目に映る風景は皆同じかもしれません。しかし新しい見方を獲得した人は、同じものを見ても、あたかも色眼鏡をつけたように、ほかの人とはまったく別の風景を見ます。人々の画一化とは、結局は、多くの人が同じ色眼鏡をつけていて同じ風景を見ているということだと思います。

硬直状態に陥った際、、私は「この状況をどのように利用すれば自分は成長できるだろうか?」と考えます。なかなか答えがでないこともありますが、変なこだわりを捨て去れば、だいたい解決法は得られます。そして世の中が以前とは違った目で見えるようになります。