Life is a journey, walk it!

 

人生はしばしば旅に例えられます。英語には旅を意味する言葉がいくつかあります。travel、trip、journey、tour、voyageなどなどです。今私の個人的な語感としてjourneyを用いたいと思います。journeyは通例かなり長い,時として骨の折れる旅で,必ずしも帰ってくることは意味しない(by weblio)ものを意味するようです。人生というものはそれなりに長いものであり、時として骨が折れます。そして本来帰ってくることを目的としません。さらにjourneyは主に陸上の旅であることが多いようです。人生は自らの足で歩むものであるという気持ちを込めて、walk it! というフレーズを取り上げました。

 

私は時々里山歩きをしています。滅多にないのですが、道のはっきりしている里山だけでなく道がないような里山も歩きます。山歩きに限らないのですが、旅をするときには一般的に地図とコンパスが必要です。人生においては常に新たな局面に出くわしますので、人生の旅は見知らぬ土地、見知らぬ山を歩くに似ています。地図とコンパスは必携です。山歩きを始める時によくいわれるのは、まず登山靴とレインウェアとリュックサックをそろえなさいということです。私のように低山里山しかほとんど歩かない人間でしたら、あまり高価な装備は必要ではありませんが、そうはいってもこの3つは必要です。これらは人生という旅においては最低限必要な日用必需品や住む家などにあたります。そして実際に山を歩くとなると、最近はスマホGPS機能を用いた登山用アプリがあるにしろ、私は地図とコンパスは活用していますし、それに行動食を含めた飲水、食事が必要です。登山口までは車で荷物を運べますが、登山をする際には必要な荷物はすべて自分で背負います。必要なものはリュックサックに入れますが、できるだけ荷物が軽くなるように皆心がけています。人生という旅においても、自分で背負えるだけの荷物=客観的な欲望がどれくらいなのかに配慮しなければなりません。

 

さて、人生という旅においては地図とコンパスと食料が必要です。つまり今自分がどこにいるかを理解していなければなりません。自分がどちらに進むのかを理解しておかなければなりません。人生を歩んでいくのに必要なエネルギーを得なければなりません。今自分がどこにいるかを知る地図とは何でしょうか?人は今自分が人生のどういう段階にいるかをどうやって知るのでしょうか?また人生の目的とは何かとしばしば問題になりますが、どちらに進めばいいか人はわかっているのでしょうか?人生を前進していくためのエネルギーとして何が必要なのでしょうか?これらの問いに対して各人が自らの回答を持っていなければなりません。私は私なりの地図やコンパス、食料を携えており、今日はそれについて書いておきましょう。

 

まず地図です。自分がどういう状況に置かれているのかをどのように理解しているかです。私の場合は簡単です。御名を唱えるのです。私の素朴な信仰として御名を唱えれば状況は勝手に整うと思っています。毎晩寝付く前に御名を唱えています。目が覚めて起きた時には、課題を含めて適切な明日が準備されていると考えています。朝起きた時の感情や問題意識、客観的な社会環境で自分が今どこにいるかを把握します。

 

次にコンパスです。状況や課題が与えられた時、その中でどういう方向に歩んでいけばいいかです。本当にどうしていいかわからないときは祈りを通じて愛する神仏に問いかけもしますが、愛が促す方向に歩むのが間違いないと思います。山の中で道や方向がわからない時にコンパスを確認するのに似て、大ざぱな方向はそれでわかります。しかし人によっては愛というものがよくわからないこともあるでしょう。私にとって愛とは自分を四六時中支えているもののことでもあります。

 

最後に食料です。山歩きではシャリバテ、つまり食事によるエネルギーが欠けているとバテて歩けなくなります。人生においても疲労に襲われると歩けなくなるものです。そういう時に人に勇気を与え、人生を一歩ずつ歩ませてくれるものは何でしょうか? 私の場合は師の教えに従うことです。例えば人に優しく話しなさいとか、時間を有効に活用しなさいとか、そういうものがちょっとしたきっかけとなります。それは勇気とテクニックを与えてくれます。師の教えに従っていると、人生を歩んでいる実感が得られます。私は普段食事に関しては同じようなものを食べることが多く、そして従う師の教えも似たようなものがほとんどです。でも私はそれで構いません。心がけているのは教えを実行する際の誠実さです。

 

歩行禅について以前書いたことがあると思いますが、歩くことは人の精神にも肉体にもいい影響を与えます。そして人生も急ぎすぎず自らの足で歩むようにゆっくり着実に進むのが、体や心に課題な負荷がかからず、また魂を深めてくれると思っています。人生の旅を新幹線や飛行機で急ぎたくなる人もいるでしょうが、私は徒歩の旅をお勧めます。そもそも山だと徒歩でしか歩けませんけれども。