愛に生きる

日常生活から少し離れて内省の時間にふと浮かんだ思いを記します。

母親のすばらしさ

母親というものは、世界で最もよいものだと思います。

霊性の師は芸術や科学の教師に比べ、10倍もの価値を有する。父親は霊性の師の10倍も尊く、母親は父親の1000倍も尊い」(マヌ法典)

私にとってなんでも話が出来た人は母親だけでした。愚痴を聞いてくれたのは母親だけでした。母親がなくなった今は、誰と話すときでも相手に対して何らかの気を使います。私の母親は特別聞き上手な人ではありませんでしたが、それでも私にとってはありがたい存在でした。

母の愛に優るものはないといいます。母親は子どもに体を与え、言葉を教えます。赤ん坊は母親の話すことを聞いて言葉を覚えます。私たちは自分の話す言葉を母語といいます。母親は小さい子どもにしつけを与えます。母親に学があろうとなかろうと、母親は私たちが必要なことの多くを教えます。母親はすべての人にとっての最初の教師です。また人は親とくに母親との関係を通じて神仏との関係を築くとも言われています。

母親は子どもがまだ赤ん坊の頃、いつもその子に注意を向けています。何かの家事に携わっている時でも、赤ん坊が恐れや空腹から大声で泣き始めれば、すぐにそばに来て、赤ん坊を抱き、あやし、乳をやります。母は、その泣き声が音声的に美しい調べでないからといって赤ん坊を無視することはありません。母は赤ん坊を知的に分析する前に、まず愛によって赤ん坊の面倒を見ます。また母親にとっては子の顔の造作がどうであれ、自分の子どもは皆かわいく見えます。特別に輝いて見えます。

母親は国を作ります。2流のリーダーは金を残し、1流のリーダーは事業を残し、超1流のリーダーは人を残すといわれますが、母親に託された仕事は、超1流のリーダーに求められているのと同じ、人間の育成です。1人の人格者を育てることができれば、それは少なくとも1000人以上の人に幸福をもたらすことができるでしょう。国を支えているのは、人格を備えた男女であり、母親の仕事は国を支えることに直結します。

ほかの誰からの恩でもなんとかすれば返すことができますが、母親から受けた恩だけは一生かかっても決して返すことができないそうです。まだ母親がご存命の方は、少しでも長い時間母親と過ごされるのがいいと思います。なかには母親との間で葛藤を抱えている方もいるかもしれませんが、それでも母親との適切な距離を保ちながら、心を通わせるように試みるのがいいと思います。