サーフィン力

 国際女性の日は毎年3月8日で、起源は100年以上前だとしても、国連がこの日を「国際女性の日」と定めたのは43年前のようです。しかし私は、ここ数年になってこの言葉がメディアで語られているようになった気がしています。(以前は気にしていなかっただけ?)
 
 その日の新聞記事におもしろいものがありました。気鋭のアーティストであるスプツニ子氏の記事です。彼女は記事の中で次のように言っています。
  「サーフィン力」が、大事だと思っているんです。(中略)やらなくていいことをやって損をすることも。だから「やって」といわれても、必要がないと思ったら「今なんて言ったっけ?」みたいに、いい感じでスルーする。それが私の思うサーフィン力。意外と、やらなくても許されるし、自分の時間もできます。(詳しくは3月8日の朝日新聞にあります)
  
  (ひとの期待に応えない)サーフィン力はおもしろい言葉だと思います。
  
  次のような英語の言葉も最近見かけました。載せておきます。
  Don't fight circumstance - use it as the eagle does the winds to soar or the fish to the currents in the ocean. There is a time and place for everything and it is God who decides when, how and what!
  (周囲の状況と戦うことはありません。鷲が風に乗って舞い上がるように、魚が海の潮の流れに乗るように、それ(状況)を用いるのです。すべての物事には時間と場所があり、いつ、どのように、何をすればいいかを決めるのは神です。)(※訳は厳密には正しくないかもしれません)
  
  この英語の文章にあるように、自らが置かれている状況に波乗りするように生きていくことは、スプツニ子氏のいうサーフィン力に近いと思うのです。私はサーフィンをしたことはありませんが、その疾走感というか状況への適応力というかそういうものは他の人がしているのをみるだけで感じます。このサーフィン力がない場合、人は心の深遠をのぞき込むことになったり、気分的に落ち込んだり、生活に方向感覚がなくなったりするかもしれません。
  
  サーフィンに大切なのは波をしっかり観察しそれに乗ることで、同じように、自らが置かれた状況の流れを感覚できなければこの世の波乗りは難しいのですが、しかしほとんどの人はこの「流れ」を理解できるような気はします。急ぐ必要はないし、多くの場合状況に急かされているわけでもないでしょうが、他の人には他の人の、自分には自分の潮目があるでしょうから、それに従うのがいいと思います。他者と手をつなぎながらサーフィンをすることはないでしょうし、他者の要求をスルーして自らのありように集中することは大切です。振り返ってみて、私はそうしてきました。失敗したら失敗したでいいでしょう。サーフィンも初心者は失敗ばかりでしょうし。
  
  「起こるべきことが起こるのです。皆さんは、自分がするべきことをし続けなさい」とも聞きます。