教育とは集中力のこと

 私の師は教育について多くの言葉を残してくださっていて、どれも味わい深いものです。その中で一つ、シンプルですが、教育の本質をついた言葉「教育とは集中力のことです」について今日は書こうと思います。

 一般的に集中力がある人ほど理解力が上がり、他の条件が同じならば、おそらく勉強においてもその他のことに関しても、習得が早いと思います。何かに集中することで、その対象の本質と同化し吸収しやすくなるからでしょう。

 集中力を保つことができるというのは、周囲の環境に煩わされずにすむという条件も意味します。他のことを心配せずに集中できるということは、それだけである種豊かなことです。そういう環境があるだけでも教育的です。

 気があちこちへと散って集中力がなければ、車の運転も危険ですし、そのほか料理をする際などに事故も起こりかねません。歩くことですらそうです。集中力があってこそ、日々暮らしていけるというもの。単に知識の獲得以前に平穏に日々を暮らすためにも集中力は必要です。

 霊的には、過去のことを心配したり、未来のことを思い煩ったりせずに現在に集中することが大切だと説かれます。なぜならば現在(present)に生きることは遍在(omnipresent)である神を憶念しながら過ごすことに等しいからです。常に現在に生きる人はそれだけでレベルの高い人と聞きます。

 学校で知識を習得しても集中力が身につくかどうかは別です。しかし集中力が身につけば、知識の習得はより容易になり、中年になっても老年になっても、新たな知識を吸収できます。

 「教育とは集中力」。一面の真理に思います。