愛に生きる

日常生活から少し離れて内省の時間にふと浮かんだ思いを記します。

私の日本文化体験

ある人が利休に茶道の極意を聞いたところ、利休は「夏はいかにも涼しきように、冬はいかにも温かなるように、炭は湯の沸くように、茶は飲みやすいように、これで茶の秘事は済み候」と答えたそうです。

私は茶道のお茶をいただいたことは数えるくらいしかありませんが、初めてお茶をいただたときには、「作法はどうしたらいいのだろうか?」と内心いろいろ考えていました。何も知らなかったからです。幸い、私にお茶を出してくださった方は形式にほとんどこだわらない方だったので、普通に飲んでも何も言われませんでした。

日本文化にはわびさびを楽しむ面がある一方で、安土桃山文化のように絢爛豪華なものを好む面もあります。私は派手なものは派手なもので嫌いではない(絵画は派手な色使いのものが好きです)のですが、日本文化といえば、ついついわびさびを思い浮かべていました。

私は歌舞伎を見に行ったこともあれば、文楽、落語などを見に行ったこともあります。能や狂言はテレビでしか見たことがありません。落語は現代日本人に分かりやすい言葉だったので面白かったのですが、他の芸能は理解できなかった分、面白くありませんでした。能の所作にはなぜか心惹かれるものがありましたが。茶道のたしなみもなければ、活け花をしたこともなく、その他日本古来の技芸には縁がありません。古典(文献)に関しても、さまざまなものを読みましたが、仏典に当たることだけが現在も続く習慣として残っています。

何となく日本の文化は難しいと感じます。素人にはわかりにくい作法や約束事が多そうだからです。しかし、これらの作法や約束事は時代とともに出来上がったものであって、利休の言葉にもあるように、本来はとてもシンプルなものだったのではないかと思います。禅が日本文化に与えた影響は大きいのですが、禅では只管打坐(ただ座るだけ)と言います。私にはそれで十分です。ただ座る、ただお茶を飲む、ただ花を愛でる。

現代日本に生活のシンプルさが戻ってきて欲しいと思います。多くのものに依存せず、複雑なことを考えなくても生活に支障がない世の中に少しずつ変わって欲しいと思います。私が複雑なことをこれまで考えてきたからこのようなことをことさら思うのかもしれませんが、シンプルに生きたほうが生産的なような気がしています。

おまけ: "Logic gets you from A to B; imagination gets you everywhere." Albert Einstein
(論理はあなたをAからBまで連れて行きます。想像力はあなたをあらゆるところへ連れて行きます。-アインシュタイン