ガンジーの自叙伝、Experiment of truth(真理の実験)だったと思いますが、を読んだことがあります。ガンジーが自らの前半生をつづったものですが、彼は内気な人間で、宗教に深い関心を持った人でした。ヒンズー教徒ではありますが、キリスト教やイスラム教、仏教などにも関心を持ち、普遍的な人間存在への理解を深めていきました。
ガンジーはたぐいまれなリーダーであり、当時世界最強の大英帝国の支配からインドを独立させました。彼は、だれとでも親しく接することができ、多くの人が彼を自分の親友だと感じていたそうです。彼は若いころには洋服を着ていたのですが、年をとって簡素な服を身につけて生活するようになりました。
ガンジーの人格は南アフリカで弁護士として働いているときに鍛えられました。彼は南アフリカでの体験を通じて、インドが独立すべきだとの信念を得ました。彼は、思ったことを口にし、口にしたことを実行しました。思いと言葉と行動が完全に一致している人間は、だれからも信頼されます。
彼は、簡素な生活、高邁な思想(simple living, high thinking)の手本でありました。彼の同時代人にアインシュタインがいましたが、アインシュタインも単なる科学者ではなく叡智の人でした。アインシュタインは普遍的な神を信じていましたが、晩年にはインドの聖典『バガヴァッド・ギータ―』を手に取り学んでいたといいます。そのアインシュタインは、ガンジーのようにすばらしい人格をもった人間がこの地球上に存在していることが信じられなかったそうです。
ガンジーは教育にも関心を持っていました。国の繁栄はひとえに青年男女の人格にかかっているということで、若い人々を愛をもって育てました。彼は「人格のない知識は悪です」と言っています。日本の教育基本法にもうたわれていますが、教育の最終結果、目的は人格です。このことをガンジーは示しています。