愛に生きる

日常生活から少し離れて内省の時間にふと浮かんだ思いを記します。

母は神 父は神

 インドの聖典には「母は神、父は神」という言葉があります。母を神として礼拝しましょう、父を神として礼拝しましょうということです。インドでは万物が神として崇められますが、特に母は自分に体と言葉を与えてくれる存在として、父は生活を保証してくれる存在として崇められています。科学の先生は一般の人より10倍優れている、霊性の教師は科学の先生より10倍優れている、父親は霊性の教師より10倍優れている、そして母親は父親よりも1000倍優れていると言われています。

 一般的に言って、親は子どもを愛し育てる存在です。しかし、物質文化になじんだ西洋や日本では子育てにさまざまな問題が生じています。子どもを虐待する親や、子どもを抑圧する親たちです。子どもを自分の好みの通りに操ろうとする親もいます。そのような親のもとで育てられる子どもは、思春期を通して親に反発する可能性が高いと思われます。親を神として崇めるなどとんでもないと思う人も少なくないかもしれません。

 しかし、もしこの「母は神、父は神」を皆が実践できたとしたらどうなるでしょう。過去から受け継がれてきた良質な文化の成果を享受することもできるし、介護等の社会問題も軽減されます。何よりも、親との良質な関係が保たれれば、人はかなりの満足を得るものなのです。親子が2世代、3世代にわたって同じ家に住めば、家計も助かります。

 「母は神、父は神」は子どもだけのための教えではありません。親にとっても尊い教えです。親が神と呼ばれるにふさわしいほどに立派に生きようとすることは、非常に大切なことです。子どもに良い手本を示し、行動を通して子どもを導くことは最高の教育です。

 子どもは親との関係を通して神との関係を築きます。親との関係が好ましくない人の多くは神とどう接すればよいかがわかりません。親と良好な関係を築いている人は、容易に信仰の道に入ることができるのです。

 親と子の間の絆、特に母親とこの間の絆はとても強く、人間にとって不可欠の関係です。配偶者や子どものいない人はいますが、自分の親のいない人はいません。親は子どもにとってかけがえのない存在です。一昔前は日本人は皆親を敬っていましたが、少しずつそれも変わってきました。あらゆる古代の教えが、親を尊重するようにと述べていますが、日本でも改めて親の存在の大きさを問い直して見てはどうかと思っています。

 親と良好な関係を築けない人が、友人やその他の人と良好な関係を築くことなどできないというのが私の考えです。もしできたとしてもそれは一時的なものであって、来ては去っていく雲のような関係です。親との関係を少しずつ良いものに調整していくことで、他の人との関係も調整できるというのが、私が経験から学んだことです。