ブッダプールニマの資料へのコメント

 

日本で花祭りは毎年4月8日に行われますが、世界の他の仏教国では旧暦に従った満月の日にブッダの生誕や成道、涅槃を祝う国もあるようです。今年は5月26日の満月の日がそれに当たります。プールニマは満月を意味するようで、この日はブッダプールニマと呼ばれます。今年のブッダプールニマにかけて私は次の資料に目を通しました。

(英語版)

http://www.sathyasai.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/05/BuddhaPoornima2021StudyGuide.pdf

(日本語版)

http://www.sathyasai.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/05/4d54af702acb8035786ab81eadc89187.pdf

ここ数週間このブログで述べてきたことに関連しそうな箇所がいくつかありましたので、今日はそれを紹介します。英語版からの引用と簡単なコメントになります。日本語訳は拙いですが私のものであり、正確には上の日本語版を読んでいただければと思います。

 

samyak drishti(the habit of looking only at good things)(p.5)
samyak darsanam(having the right vision)(p.5)
この2つはともに日本でいうところの正見にあたります。日本の仏教界で正見がどう解釈されているのか詳しくは知りませんが、上の引用では、よいものだけを見る習慣、正しい視覚をもつこととあります。これは感覚のコントロール、特に五感の中で影響力の強い視覚の重要性が強調されていると受け取っています。

 

He(Buddha) carried out a great deal of study and met many great men. He listened to many discourses. He realized that true knowledge could not be got by these means. He realized that a pure, unsullied consciousness confers the highest knowledge.(p.6)
ブッダは多大な学習をなし多くの偉大な人々に会ってきました。彼は多くの講話を聞きました。彼は真の知識はそれらによっては得られないと気づきました。彼は清らかで汚れのない意識こそが高位の知識を与えてくれることに気づきました。)
人の内界を満たしているものを意識と呼ぶことができるでしょう。清らかでない人は雑念でいっぱいです。悪い思いも何故か湧いてきます。それは感覚を通じてよくないものを取り込んだからだと私は思うのですが、まずはそれを浄化しなければなりません。内界が清まることはその人にとって世界が明かされることに等しいのでしょう。内面を清らかに保つことは、内面の独立に関わります。

 

True spirituality consists in the unity of thought, word and deed in all their purity and sacredness. Buddha declared that when spiritual striving of this nature has been completed, there is samyak jivanam(leading a pure life).(p.7~8)
(真の霊性は清らかで神聖な思いと言葉と行為の一致で成り立っています。ブッダはこの思いと言葉と行為の一致という性質を目指す懸命な霊的努力が成就した時に正命(純粋な生活)があると宣言しました。)
私が思うに、人間はまずはこのレベルを目指さなければならないのではないかと思います。純粋な生活こそが人生であり、早い時期にそれに到達することで人間として生まれてきたことをあがなう(人間という名にふさわしい実質を手に入れる)ことができると思うのです。

 

Good Company(p.8)
(よき仲間)
仏教の祈りにサンガムシャラナムガッチャーミ(僧に帰依し奉る)というものがあります。僧は三宝の一つです。サンガムとは社会、よき仲間のことで現代日本ではお寺や僧侶の意味で用いられているでしょう。私が思うよき仲間とは、ここまで述べてきた感覚のコントロールや内面の浄化、清らかな生活を人が目指すのを直接間接に助長してくれる仲間のことです。

 

The true inner solitude(ekanta) is when you are not aware of the crowd around you. When you are able to remain undisturbed by others, then you have perfect inner solitude.(p.12)
(真の内なるソリチュード(独立)(エーカンタ)はあなたが周囲の人々に気づいていない時にあります。あなたが他の人々から乱されないでいる時、あなたは完璧な内なるソリチュード(独立)でいます。)
エーカンタはソリチュード(一人でいてその状態を楽しんでいる状態)であり、また一つ(エーカ)である状態でもあります。人の状態を覚醒状態、夢見状態、熟睡状態で区分した時、熟睡状態に当たるといっていいのではないかと思います。そのとき人は自分で居続けることができます。

 

リンクをはった上のテキストは仏教徒への言葉であるのですが、私はむしろ日本人へのメッセージのように受け取ってしまいます。日本人は一般的に仏教徒が多いとはいわれていても、実際にお寺参りをする人は少なく、仏教のことをあまり知らない人が大半です。そうであっても、このテキストは日本人一般へのよき指針になると思っています。時間に余裕があれば全体を読まれてみることをお勧めします。