伊藤穣一さん

知っている方もいらっしゃると思いますが、MITメディアラボ所長をしている方に伊藤穣一さんがいます。詳しい経歴についてはよく知らないのですが、時々メディアに登場するので名前を覚えてしまいました。メディアや教育に関心をもつ方のようです。

 この方がしばしばいっているのは、地図よりも羅針盤が大切だということ、意志が大切だということです。多くの知識を詰め込む百科事典的な教育(=地図)はインターネットの登場で重要性は減ってきており、広大な海の中でどちらに進むかという羅針盤を自らの内に備えることが大切だといいます。

 また彼は自身でプログラミングをするためだと思うのですが、まず最初に何かをする、したいという意志が大切だといいます。今ここでこういうことをしたいという意志がはっきりすれば、それをプログラムして、知識を載せて肉付けするのでしょう。インターネットの世界でのプログラミングのありようは、現実世界でも通用すると思います。意思をもつ、それを実現するための行動の枠組みを考える、そしてさまざまに必要な知識でもって実際の行動へとつなげる。

 彼は時代の流れをつかむことのできる一人だと思います。しょっちゅう彼に関心を向けているわけではないのですが、思いついたときに彼のブログなどに目を通します。

 彼は大学を2度中退しました。既成の学校が肌に合わなかったようです。自らがやりたいことを仲間と共にやっていく中で成長し、成功へと導かれました。インターネットの黎明期が彼の人生の若い時期に重なったことも彼の成功の大きな要因でしょう。彼は自らをナウイストと呼んでいます。今を大切に今を生きる人のことです。まず状況に飛び込み、人と人とのつながりを通じて問題を解決することに長けているようです。

 多分彼が日本で教育を受け、日本で成長していたら、今の彼はなかったでしょう。彼のことを考えるとき、日本の教育についてもいろいろな思いが湧いてきます。

 私は彼のように世界を飛び回るような生活をしてはいませんが、まず目の前の状況に飛び込んでみるという彼の姿勢からは学びたいと思っています。身近な地域も世界の一部であり、そしてその世界は深く広いものなのですから。

 もし彼に関心をもたれましたら、彼のブログ http://joi.ito.com/jp/ や
ウィキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E7%A9%B0%E4%B8%80 (での対談)を見られてみてはどうかと思います。彼の属する世界を感じることができます。