愛に生きる

日常生活から少し離れて内省の時間にふと浮かんだ思いを記します。

小さな物語

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Gabriel Masliah

 もう使わなくなったものを使って下さる方がいれば差し上げようと、数ヶ月前から、あげます・下さいサイトを活用してきました。使って下さるだけでありがたいので、値段は無料にして、発送を希望される方には送料だけ負担してもらうようにしました。これまで4件、英語の辞書・参考書類、プリンターインクと写真光沢紙、仏教の学習誌、韓日辞典をそのサイトに掲載しました。幸い仏教の学習誌以外は希望者から連絡があり、発送しました。このサイトを利用する前は思ってもみなかったやりとりがあり、それがおもしろかったのです、今日書くことにしました。

 最初は英語の辞書・参考書類をサイトに掲載しました。私はこれまで少しは英語を勉強しようとしたことがありますが、何分普段の生活の中で英語を使う機会がほとんどありませので、もう英語は勉強しなくてもいいかなと思いながらの掲載でした。また、あげます・下さいサイトを利用することは初めてだったので、勝手がよく分からず不安だったのですが、
ほんの数日後に、それを希望する方から連絡が入りました。文面の印象からすると若い学生さんのように感じたのです今一生懸命英語を勉強している最中なので是非くださいとのことでした。私もうれしくなって、すぐに発送しました。

 次にプリンターインクと写真光沢紙を掲載しました。以前使っていたプリンターが壊れてしまい、そのプリンター用に買っていたプリンターインクが不要になっていたのです。また今使っているプリンターは写真の印刷はできないので、写真光沢紙も不要でした。これにも希望者からすぐに連絡がきました。何回かやりとりをするうちに、私が利用したことのない「はこBOON」で送って欲しいということになりました。これは登録している人しか利用できない宅配サービスなので、私は勝手が分からず、相手の方に手続きをお願いしていただき、なんとか発送することができました。もし不要なものがあればインクと光沢紙以外にも何か送って欲しいとのことでしたので、相手に必要かどうか確認してもらったあとで、本を数冊とリュックサック、トートバックなども送りました。

 仏教の学習誌はまだ希望者がいません。

 次に20数年前に韓国に旅行したときに買った韓日辞典を掲載しました。これも数日後に連絡がきました。郵送を希望とのことでしたので、住所を聞くと、なんとモンゴルの方でした。日本語を学習したいとのことです。もし他にあれば日本語の辞書や英和辞典などもいただきたいとのことでした。せっかくのモンゴルからのお問い合わせだったので、快く了解しました。中古の本でいいとのことでしたので、近くのブックオフオンライン書店を探し、20冊くらい集め、折り紙などを同封して、モンゴルまで国際小包で送りました。その方はモンゴル在住ですが、日本の方と協力してビジネスをやっておられます。日本語が上手な方でした。各国で不要になった本を交換すれば、お互いに役に立つのではありませんかといわれ、ぜひそのシステムを作ってくださいと投げかけられましたが、いまそちらに力を十分に注ぐ余裕はないので、小さなホームライブラリーを作るのなら少しは協力できますが、大掛かりなことは無理ですとお断りしました。荷物が届いたら、お礼にお相撲さんの切手などを送りましょうと言ってくれました。

 ほんのちょっとした気持ちであげます・下さいサイトを利用したのですが、最初は思ってもみなかった交流がありました。相手の顔はわかりませんが、生活やその温かみを感じさせるつながりでした。インターネットには功罪がありますが、このような思わぬ出会いと物語が生まれるところはおもしろいなと思います。

 スタンフォード大学のティナ・シーリグ教授が『20歳の時に知っておきたかったこと』という本の中で、お金がなくても人は多くのことができると、いろいろな事例をあげて述べています。例えば、引越ししようとしていた人が、お金がなくてどうしようかと思っていたところ、部屋の中にあったもらいもののワインと引き換えに引越しを手伝ってもらった話などがあります。ワインはお金の代わりに通貨(交換の媒介)の役割を果たしたとティナ教授はいっています。

 私は家の中にある不要なもののおかげで、ちょっとした物語を楽しむことができました。物語の大切さについてはまたいつか書きたいと思います。人生は確率統計の世界などでは決してなく、いろいろな物語に満ちています。

※ "Do what makes you happy." Agustina Hobbs
 「あなたが幸せになることをしなさい。」