愛に生きる

日常生活から少し離れて内省の時間にふと浮かんだ思いを記します。

アインシュタインと科学

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rjay arcis




私はアインシュタインについてかつて関心をもっていました。彼の知性がどのようなものなのか想像できなかったからです。人間的にも魅力のある方でした。ついつい彼に関する本を読んでいました。

 アインシュタインは20世紀科学の二つの潮流、宇宙論素粒子論の両方において一流の仕事を残しました。世間的には相対性理論が有名ですが、ノーベル賞量子論に関するものでした。彼は紙と鉛筆だけで壮大な理論を作り上げました。彼が頭の中だけで宇宙のことや素粒子のことを理解することができたので多くの人が驚きました。観測によって光が曲がる(空間が曲がっている)ことなどが確かめられました。

 彼の導いた有名な方程式のひとつは E=mc2(2は2乗) です。これはエネルギーEと質量mを結びつける方程式で、エネルギーと質量は変わることはないということを示しています。この方程式は現代人とも深く関わっています。この方程式に基づいて原子爆弾が作られました。原子力発電所もこの方程式を利用して電気を作っています。

 アインシュタインは第2次世界大戦中ドイツからアメリカに逃れてきました。ナチスは強力な武器の開発を進めていました。そのことを知ったアインシュタインは、アメリカ政府が彼に原子爆弾の開発を進めることに承諾を求めると、同意しました。彼は原爆がナチスドイツを攻撃するものだと思い了承したのです。しかし、原爆は彼が好意を持っていた日本に落とされました。それを知った時のアインシュタインの写真が残っています。それは通常私たちが知っているアインシュタインの姿ではありません。

 その当時の彼の心の中がどのようなものであったのかうかがうことは困難です。罪の意識を感じたと思います。しかし、彼はそれを乗り越えました。晩年彼は「神は老獪(ろうかい)なり」という非常に意味深な言葉を残しました。

 アインシュタインは世界にこのような影響を及ぼすつもりで宇宙の研究をしていたのではないと思います。科学的な興味と関心が主な動機であったと思います。しかし、後に世界に大きな衝撃を与えました。これは彼がどうのこうのという問題ではなく、科学そのものに内在する問題でしょう。

 科学のもたらす結果はなかなかわかりにくいものです。それらは技術に応用され、それを私たちが利用し体験して初めて理解できます。科学は知能のレベルの知識ですが、真の知識というものは、その結果を人生の中で体験して初めて得られます。

 たとえば、遺伝子組み換え作物。個人的には気味が悪いと思っていますが、正直なことをいうと私はこの技術が良いものなのか悪いものなのかはっきりいいきることができません。しかし、遺伝子組み換え食品は現在市中にたくさん出回っており、私たちはそれを口にすることもあります。遺伝子組み換えという技術の及ぼす影響について、現在人類を対象に大規模な実験が行われている最中だということもできます。

 さまざまな問題を抱えているといって科学技術を否定するわけでもありません。ただ、科学技術の及ぼす影響は容易にうかがい知れないことを知り、科学の成果を活用する前にしっかりと識別を働かせて技術開発を行って欲しいと願います。私なども医学や薬学などのおかげをこうむっていますので。