愛に生きる

日常生活から少し離れて内省の時間にふと浮かんだ思いを記します。

一体性(unity)2

世界最古の聖典ヴェーダに次のマントラがあります。

 サハナーヴァヴァトゥ
 サハナゥブナクトゥ
 サハヴィールヤムカラヴァーヴァハイ
 テーヂャスヴィナーヴァディータマストゥマーヴィドヴィシャーヴァハィー
 (共に行動しましょう
  共に前進しましょう
  知性によって得た知識を分かち合いましょう
  争うことなく調和のうちに生きましょう)

 簡単なマントラですが、これは一体性というものをよく表していると思います。私の好きなマントラです。

 私の好きな歴史学者網野善彦さんがいますが、彼は日本の歴史上、これまで大きな変動期は3度あったといいます。まず最初に古代国家が作られ、天皇家が国を支配するようになった頃。次に、元寇に伴い国が乱れた頃、そして現代です。西暦600年ころ、1300年ころ、2000年ころと大体700年ごとに国の姿が大きく変化するとおっしゃっています。

 元の国が日本を襲ってきた頃は鎌倉時代ですが、元軍と戦った御家人たちは幕府から土地を与えられることなく、不満を募らせていきました。またこのとき、「神国」意識が芽生えました。幕府は衰え、建武の新政南北朝時代、そしてさらに時代が下って応仁の乱、戦国時代へと続きます。日本が乱れていた時代です。

 この朝廷や幕府が頼りにならない時代に人々は惣の寄り合いにおける話し合いで村の自治を行い、町では座などの同業者組合が発達したり、町衆らによる自治が行われました。横のつながりによる一揆も起こっていました。御恩と奉公に代表されるような縦のつながりから、人々の間の相互の横のつながりが力を持つようになりました。現代日本にまでつながる多くの生活様式は、この頃以降に作られたものです。

 現代も、政府に頼ってばかりはいられない時代になろうとしています。国の借金は莫大な金額です。財政破綻すれば、人びとの生活は一気に混乱の度を増すように思いますし、財政破綻しなくとも、もう国に自由に使えるお金はほとんどありませんので、最低限の国の機能を除き、その他のことは人々の間の自助努力を求められることが多くなるのではないかと思います。

 このような中、人々が共に歩むことがより大切になるように思います。一人ひとりが技能や知識を増すことも大切ですが、それに費やす努力にまして、信頼できる人との人間関係を作ることも大切になります。話し相手となってくれる人、困ったときにわずかでも助けてくれる人などが身近にいるだけで大きな心の支えになります。親子や兄弟姉妹との良好な関係も貴重な財産です。お金もある程度大切ですが、さまざまな機会に共に歩んでくれる人がいることは、大きな励みになります。技能を身に付けるよりも人間関係を作ることのほうがはるかに簡単で人生に大きな効果をもたらすという人もいます。

 悲しみは分かち合ってくれる人がいれば減っていきます。喜びは分かち合ってくれる人がいれば増します。

 日本国民は同調性が強いと言われますが、現代の日本にはあまり一体性はないと思います。一体性=基本的な信頼感や安心感がないので、空気を読んだりするのだと思います。その場にいる人とともに行動すること、ともに歩むこと・・・。それほど難しいことではないと思うのですが、それができない人が結構多いのかもしれません。家庭内で皆が話をする時間を毎日取れているか、職場で上司や同僚とお互いに理解し合えているか…。隣近所の人と日頃からあいさつを交わしているか。しかし、妊娠中や子ども連れの女性が街中で非難されるなどというニュースを聞くこともあります。

 私は、人はお互い持ちつ持たれつで、その中でどう生きるかを考えればいいと思っています。私たちは一つです。

※ "Our generation has the ability and the responsibility to make our ever-more connected world a more hopeful, stable and peaceful place." -Natalie Portman
 「私たちの世代は、今後も変わることない一つの世界をより希望に満ち、持続性があり、平和な場所に作る能力と責任があります。」-ナタリー・ポートマン(女優)