Always Be Careful

 物事の基本をABCと呼んでいますが、私が心がけているABCは「Always Be Careful」です。私がこれまで生きてきた実感としては、人生において油断をすれば、いつの間にか足元をすくわれてしまうものです。だから「いつも注意して」います。

 若いときは時に勢いで物事を進めることもあるかもしれませんが、体が健康だからそれでもつのではないでしょうか。がむしゃらに進んで、うまくいくこともあるし、失敗もある。それは確かだと思います。しかし、私は物事は慎重に進めることが多いです。

 人は識別に基づいて人生を進めるべきです。行う前に、それは良いことなのか悪いことなのか、あるいは正しいことなのか間違ったことなのかをしっかり吟味すべきです。いくら検討しても結果がはっきりしないこともありますが、そのときはまだそれにふさわしい時期が来ていないのだと実行を先延ばしにします。これでうまくいきます。

 多くの人は急いでいます。そして何かを失い無駄が生じます。その結果心配に取りつかれます。否定的思考のスパイラルです。否定的思考のスパイラルから逃げ出すのは困難なことです。これを肯定的思考のスパイラルに変えるには、識別力を働かすのがもっとも有効でしょう。いつも肯定的な思考を抱いていれば、自然に人生は上手くいくのです。

 大空を飛びまわる鳥でも、前進する意志がなければ、いつも同じところに留まります。小さな一匹のアリでも、前進する意志があれば、何キロもの先まで進むことができます。着実さこそが成功の基です。

 人間関係においても、親しいと思っていた人が、ちょっとしたことで非難をし出すことがあります。なかなか油断ならないものです。そういうときでも、普段からいつも気をつけておけば(Always Be Careful)そういうことはある程度防げます。そしてそのように心がけていれば、思考や言葉は自然に洗練されてくるものです。

 人生は量ではなくて質です。多くの富や知識があっても、それを楽しむ心の平安がなければ、すべて無駄です。心の平安がありさえすれば、大いに富や知識を楽しむことができます。繰り返しになりますが、急げば無駄が生じ、無駄から心配が生じます。心が心配でいっぱいになれば、人生を楽しむことはできません。人生を心より楽しもうと望む人にとって、「Always Be Careful」は役に立つ言葉になると思います。