倫理

巨人たちの肩

万有引力の法則を発見したニュートンに次のような名言があります。 「私が遠くまで見ることができたのは、巨人たちの肩に乗っていたからです」(If I have seen further it is by standing on the shoulders of Giants.) 現代人にとって最もポピュラーな科学…

文化の目的=完璧

2ヵ月半前に書いた記事「ただのただ」に少し重なる話を最近見かけました。ある方のメールマガジンにあった話です。 そのメールマガジンに、かつてオリンピックで金メダルを取った方の話が載っていました。その元オリンピック選手はどのような気持ちで闘いの…

若くありなさい

今日を含めてここ数日とても暑いです。梅雨明けといわれても納得しそうな天気です。通り雨が多く、雷がなることもあります。ご飯を食べるだけで汗が吹き出ます。静かで涼やかな夜が待ち遠しい季節になってきました。 先週書いたこととも関係するのですが、死…

インド哲学とヨーロッパ哲学

日本人にとって哲学といえばヨーロッパ哲学あるいはもしかしたら儒教なども含めるかもしれませんが、そういうものをいうのではないでしょうか? 主に思弁(実践や経験を介さないで、純粋な思惟・理性のみによって事物の真相に到達しようとすること)によって…

引き算の美学

かつて料理研究家の辰巳芳子さんについて書いたとき、(こちら)思考は刃物のようなもので、余分なものを削ぎ落とす役割があり、それによって本質を押さえることが大切だというようなことを述べました。情報があふれる中で物事を整理して理解するためには、…

家族・家庭2

もうだいぶ前になりますが、家族、家庭について書きました(こちら)。そのときからほとんど認識は変わっていないのですが、改めて自分で確認する意味でも書いておきたいと思います。 家庭の役割にはさまざまなものがあります。家業のある家では共に働くこと…

川の水を川に戻す

インドでは川で沐浴し神に祈りを捧げている方々がいます。川の水を手にすくい、祈りと共にその水を捧げます。その水は元の川に帰っていきます。 師の促しにしたがって、また私自身の内なる衝動もあって、時々奉仕をしています。私の住んでいる自治体に元ホー…

愛の気づき

今年は愛について学ぶ機会を与えられました。愛に関する勉強会に参加したり、書籍を読んできました。本当は愛を実践する一年であるべきだったのですが、私にとっては愛を実践するための学びの一年でした。今年学んだことは来年以降に生かしたいと思っていま…

欠点の自覚は変容のチャンス

人間には誰でも向上への強い衝動があると思うのですが、向上するためには良いことをする道もありますが、もう一つ欠点を取り除くという方法もあると思うのです。エネルギーに満ちていて、あれがやりたい、これがやりたいという意欲でいっぱいの場合、その気…

フォロワーシップ

今日は私が考えたこと、気づいたことを書くのではありません。どのような意味かよくわからないまま放置してきた問題の答えを新聞に見つけることができてうれしかったので、それについて書きたいです。 私は愛読しているのですが、今年になって朝日新聞に折々…

執着

霊性の道の障害となるものはたくさんありますが、主な2つを上げろといわれれば、一つは「私me」というエゴと「私のものmine」という執着になると思います。エゴとは自分を肉体と同一視したときに生じる「私が、私に、私を」という感覚であり、執着も肉体の…

オリジナル

いつも小難しいことを書いています。同じようなことを視点を変えて、さまざまに書いているような気が自分でもしています。読んでくださる方々に感謝しています。これからもよろしくお願いします。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 東京オリンピッ…

Help ever, hurt never

最近今までに気づくことのなかったことに気づくようになりました。いろいろな話が自分の中で一つにまとまってきました。助けることと傷つけないことに関してです。 今の世の中というのは不思議なもので、体に悪い食べ物を一方で作っておきながら、健康のため…

密林のようなダルマ

ダルマはとても深遠な意味をもつ言葉です。インドの言葉ですが、他の言語に翻訳することが非常に難しい言葉です。お釈迦様は「法に帰依し奉る」とおっしゃいましたが、この法はもともとダルマという言葉でした。法といえば、仏法や法律を思い浮かべます。そ…

職業は高次のヨーガ

ヨーガは(小さな)私と大なる宇宙(神)とが調和し一体化することです。体を用いたヨーガも、体を整えることで内なる自然や外なる自然との調和を目指すものなのだと思います。自然の中で過ごす時間をもつと、自分がいかに自然と調和していないかがわかりま…

世界はあなたのためにもある

WHOが今年発表しましたが、世界で1年間に自殺でなくなる人は80万人にも達するそうです。世界の自殺率は、日本の自殺率よりも低いですが、それでもこれほどの数の人がなくなっているとは知りませんでした。自殺は世界的な課題だと思います。 多分自殺はさま…

心の内を語る

http://www.dotspin.com/photo/365955 Stefano Visconti 私はかつて10代、20代の頃人間関係に悩んでいたことがあります。他の人と上手にコミニュケーションが取れませんでした。一生懸命話すのですが、楽しい会話が続きませんでした。時が過ぎ、今はコミュニ…

道徳について

何回か書いていますが、思いと言葉と行動の一致が大切だと思います。思ったことを言葉に表す。言葉の形で計画する。言葉にしたこと、計画したことを体で実行する。シンプルですが、人生で心がけるべきことは往々にして単純です。実践は少し難しいこともあり…

アインシュタインと科学

rjay arcis 私はアインシュタインについてかつて関心をもっていました。彼の知性がどのようなものなのか想像できなかったからです。人間的にも魅力のある方でした。ついつい彼に関する本を読んでいました。 アインシュタインは20世紀科学の二つの潮流、宇宙…

道徳と社会

Javier Y 道徳や倫理は21世紀科学の最前線になるという人がいますが、私は道徳・倫理に関心があるので、多くの人がそれに関心を向けてくれるとうれしくなります。 道徳というのは、決して個人的なもんではなく、その人の関わる仲間や社会集団と大きな関係が…

自己肯定

Lisandro Fadda 霊的な道には、帰依の道と英知の道(と行為の道)がありますが、帰依の道は、自分を小さくし神にすべてを委ねます。英知の道は、自分に頼り、自分を大きくします。帰依の道は、自分を小さくして無になったとき、神しかありません。英知の道は…

霊的な喜び

Sofi さまざまな喜びがあります。まずは肉体の喜び。食欲、性欲、睡眠欲、安全欲が基本的な欲望・欲求だと言われますが、これらを満たすことは人生の喜びではあります。しかし、こればかりのために生きていても、時に虚しさを感じることもあります。人生は生…

自由

人は自由について語ります。自由主義、自由経済などという言葉もあります。以前このブログでは運命について2回書きましたが、そのときに書いたように、私は人生の大きな流れはほとんど決まっているという運命論者です。杭とロープにつながれた牛がその範囲…

人格形成

多くの人が多くのことを成し遂げます。しかし人々が時代を越えて語り継ぐのは人格の卓越した方々です。悪いことをした人々や強欲な人々をわざわざ語り継ごうとする人はいません。そういうことがあったとしても、それは反面教師としてです。 教育の目的は人格…

私にとって哲学とは

4月になり、会社や学校では新しい年が始まりました。多くの方々が良き出会いに恵まれますように。 これを読んでくださる方々にも感謝申し上げます。誰かが読んでくださるので、何かを書くことができます。これから先、ブログの記事を書く事を通じて、私も新…

善と悪

善と悪の問題には誰もがいつか直面するのではないかと思います。私も善と悪のジレンマに直面したことがありました。 お釈迦様がふとした時につぶやかれた言葉に次のようなものがあります。「もろもろの悪はなすことなく、もろもろの善は行い、自らその心を浄…

倫理的段階

大学4年生の時、ある企業の方から手紙が来ました。「いまはキルケゴールのいう倫理的段階に踏み出す時期です。」当時はまだバブル経済のころで、企業の方からさまざまな資料が送られてくる中、その方の手紙だけが今でも心に残っています。私は悩み多き青年…

ミツバチが花の蜜で養われるように

「子どもが母乳で育てられ、ミツバチが花の蜜で養われるように、人は自然の恵みを享受しなければなりません。」 今住んでいるところは周囲を山や畑で囲まれています。あまり車も通りません。昼間聞こえてくるのは風の音だけです。夜も静かです。耳をすませば…

見方を変えること

前世界銀行副総裁の西水美恵子さんのお話を聞いてきた方が、リーダーシップの要点として次の3点を挙げていらっしゃいました。まずは危機感を抱くこと。次に、チーム精神。そして人の苦しみに自分を重ね合わせることです。そして次のようにおっしゃいます。T…

母親のすばらしさ

母親というものは、世界で最もよいものだと思います。 「霊性の師は芸術や科学の教師に比べ、10倍もの価値を有する。父親は霊性の師の10倍も尊く、母親は父親の1000倍も尊い」(マヌ法典) 私にとってなんでも話が出来た人は母親だけでした。愚痴を…